第18回定例議会報告
 第18回定例市議会が9月3日から16日まで開催されました。
今議会は、岩倉市長の再選後初の定例会ということで、所信表明と先に公表された「財政再建計画」「行革計画」「実施計画」の3計画などに対して、6会派の代表質問が行なわれました。私も「民の風」を代表して、代表質問のしんがりに登壇いたしました。

今回の質問で取り上げたテーマの一つに「地域主権改革」があります。本年、6月に政府が発表した「地域主権戦略大綱」を受け、国と地方の関係が大きく変わろうとしている中で、苫小牧市が今後どの様に取り組んでいくのか問われています。
しかし、事前ヒアリングの中でも「今後の国の動向を注視していく」という従来型の姿勢で、この機会をチャンスと捉え地域の為に何か出来ないかという意欲が関係部署からは感じられませんでした。確かに、地域主権に向けた多くの具体的内容はこれからです。しかし、今回発表された大綱の中にも明記されている「緑の分権改革」というのがあります。本年、1月に総務省で全国の自治体に「地域資源を最大限に活用する仕組みを…」と募集し、全国で27自治体が認定されてバイオマスなどの取り組みが始まっています。
しかし、苫小牧はノーリアクションでした。この様なチャンスをものにしていくには、市組織としてのアンテナを高く張り感度を高めていく必要があると思っており、一つの事例として取り上げました。
しかし、私の質問の仕方が悪かつたせいか、理事者にはあまり感じていただけなかったようです。地域主権改革に向けた「職員の意識改革」「組織文化の改革」について、引きつづき取り上げていくテーマになりそうです。

代表質問における質疑の要旨

以下、私の質問(○)と市の答弁(●)の要旨です。
1.地域主権改革について ○これからの基礎自治体の運営を考える時の一番悩ましい課題は「地域主権」の対応だと思う。しかし岩倉市政の2期目の方針に「地域主権」の取り組みについて何故一切ふれられていない。本年6月に閣議決定された「地域主権戦略大綱」をどの様に受け止め、今後の対応をどう考えているのか。
●H19年に自治基本条例を施行し市民自治の市政運営を行っている。その為「地域主権戦略大綱」に示された国と地方の関係を対等とする改革を受け入れるための土壌は出来ていると考えている。今後の国の動向、具体的な中身について注視していく。

○H24に予定されている「地域主権大綱」の制定に向け、国で決まってから検討するという「待ち」の姿勢ではなく、地域主権に関する庁内議論を活発化させ、それをまとめ関係機関に発信していくべき。
●今後の国の検討において地域主権一括法案と関連法案の改正、地方の自主財源の充実強化が盛り込まれており、国と地方の協議の場も確保されていることから、市内部の担当部局間の協議を活発化させ全国市長会等と連携を深めていきたい。
2.労使交渉について ○1期目の市長就任当時は組合との関係を「対立」から「対話」へと打ち出していたが及び腰との評価があった。今選挙戦を通じて4年前との姿勢とは180度変わったとの市民の期待する声を聞くが変節の理由は。
●4年前の着任時に組合から労使慣行の継続について申し入れを受けた。その時は実態を把握していなかったため態度を保留してきた経緯がある。その後、市が判断すべき管理運営事項まで交渉事項としてきている労使慣行を改めるべきとの思いから組合に改善を通知した。今後も円滑な行政執行には職員の理解や協力が必要であり、基本姿勢としての「対話」路線は堅持していこうと考えている。

○組合交渉の情報の偏りを解消するために「職員ニュース」を発刊すると聞いたが、むしろこの種の情報は市民に発信すべき思うが認識は。
●これまでも労使交渉後の記者発表を通じて市民には情報発信をしてきているし、合意した内容については条例改正を通じて市民に周知しており、「職員ニュース」に関連して特別な方策は考えていない。
3.職員給与と手当てについて ○18年度から取り組んでいる職員給与の独自削減が今年度をもって終了する。毎年、約4億円の節減効果を生んできた取り組みであるが、財政再建も道半ばであり継続すべきと考えるがいかがか。
●これまで取り組んできた独自削減は長期的な景気低迷による財政的な苦境を乗り切るために実施してきたものである。財政状況は徐々に改善してきたがまだ予断は許さない。しかし、出来れば給与にこれ以上手をつけずに乗り切っていきたい。但し、今後において想定外の状況が発生した場合は別途検討してまいりたい。

○6月議会で他都市と比べて突出している特殊勤務手当ての全廃を求めたが、新行革計画(H22〜26)にはどの様に反映されたのか。
●新行革計画の中の「諸手当ての見直し」は、交通費を国に準拠しての引き下げを掲載。特殊勤務手当見直しは今後、職員組合と精力的に交渉を進めていくことになる。新行革計画には見直しの種類、金額について盛り込むことはできなかった。
4.市立保育園の民間委譲 ○新行革計画(H22〜26)で現在の市立保育園の7園うち3園を民間委譲することが明記されたが、委譲のスケジュールはどう考えているのか。
●今年度中に策定する保育園整備(建替え)計画の中で、今後のスケジュールを検討していきたい。

○残りの4園については、24年度に保育園整備計画の進捗を確認して検討するとなっているが、何故その手順を踏まえなければ市立保育園の全体フレームが決められないのか。
●本市の財政状況、保育需要、または国の幼保一元化や補助などの制度の動向を見極めながら民間委譲が、今後策定する整備計画の通り進めることが出来るのか検証していきたい。その上で全体フレームを決める。
○市立保育園の整備計画(建替え)に伴う民間委譲の計画では、取り組みのスピードはきわめて遅くなる。双方の計画を切り離して進めるべき。更に時期に複数の保育園の委譲をすすめる釧路方式を採用すべきではないか。
●本市は老朽化している保育園を建替える際に民間でとの考えだ。保育士の処遇問題もあり同時並行的に委譲をすすめることは困難である。
5.企業誘致について ○昨今の企業誘致を取り巻く情勢をどう受け止めているのか。また、全国の殆どの自治体で上手くいっていない中、苫小牧だけ上手くいくといった戦略を持っているのか。
●世界同時不況による影響で輸出産業は大打撃を受け、生産調整や過剰施設の統廃合などで乗り切ってきているが、更に円高基調などで企業誘致を取り巻く情勢は非常に厳しい。企業誘致に結びつけるのは市長のトップセールスを展開するとともにこれまで訪問した企業と信頼関係を深めるなど地道な取り組みが必要と考えている。
6.国家プロジェクトのCCS誘致について ○国家プロジェクトであるCCSの安全性の市民理解をどの様に得ていくのか。また、200億円ともいわれる経済効果の中身にいてお聞きする。
●現在、国から委任を受け調査を実施している日本CCS調査鰍ゥら安全性の情報収集をおこなうと共に苫小牧CCS促進協議会による検証作業や市民への広報周知活動を通じ理解を得ていく。経済効果としてはCO2を25万トン貯留する計算で300億円の投資額に対して、約200億円の経済効果と雇用誘発効果が期待できる。わけても土木、電気、機械関連業界への波及効果が見込まれる。

○新規事業の創出も期待されているが、それと地元企業をどう結び付けていくのか、市が仕掛けづくりを担うとの認識に立つべき。
●地域には製紙、石油精製、自動車、電力のほか化学工業、非鉄金属業などCO2の排出源となる企業の集積があり、将来的には既存産業とCCS事業及び関連産業が連携し、地域産業の活性化に繋がるような施策誘導を積極的に取り組んでまいりたい。
6.公共事業政策について ○市長は選挙戦を通じ厳しい業界の声を聞かれたと思うが、どの様に受け止めているのか。
●長引く不況の中公共工事も激減し建設業界の方々からは、経営が大変な状況を身に詰まされる思いで聞いている。

○直近のデータでは、当市の建設業事業所数は1.100事業所、従業員数は約1万人である。当市の建設業の位置づけと今後の対応をどの様に考えているのか。
●社会資本整備のみならず、景気の下支えや雇用の確保に重要な役目を担っているものと考えている。今後は公共事業の重点化、効率化を図らねばならず、より厳しい事業選択の時代になる。したがって国などの特定財源の補助メニューを活用し、少ない一般財源で事業費を確保するなどの工夫が更に必要となると認識している。

○市の発注工事はH9年の245億円をピークに21年度は6割減の97億円まで減少している。今後も財源確保は極めて厳しい中、地元経済にとってより効率的な効果を生むための提案を7点するが、それぞれの認識をお聞きする。
@大規模工事の2倍の雇用を生み出すといわれている小規模工事発注に重点をおくこと。
A地域内循環経済の貢献を徹底させるために、下請けなどの地元事業所の活用に関する工事完成後の報告を義務づけるべき。
B建設労働者の賃下げ防止と安ければ良いという考え転換を目的とした、公契約条例を制定すべき。
C総合評価制度を導入して地域要件を重視すべき。最近出てきた特別簡易型総合評価落札方式も含め検討すべき。
D予定価格の事前公表を全廃し、全ての発注工事を事後公表とすべき。
E年々下がり続けている労務費単価を見直し、建設労働者の適正な生活費と技術評価基準としたものに改めるべき。
F小規模工事における提出書類の簡略化と現場代理人の兼務運用をみとめて小規模事業者の負担軽減に取り組むべき。
●@現場条件や発注条件において規模が決まってくるが、指摘のメリットもあることから、可能な限り分離・分割発注に努めていく。
A現在、工事着手前の下請け選定通知書や施行体制台帳によりおいて、地元事業者活用については監督員が確認している。
B国は労基法や最賃法により最低労働基準が確保されているとして公契約に関する法は制定しておらず、市が独自に制定することは難しい。
C価格と価格以外の評価割合や学識経験者の意見聴取など難しい点がある。札幌、旭川、函館が施行実施しているので動向を注視するなど検討していきたい。
D国も予定価格が目安となって、適正な競争が行なわれ難くなる可能性などがあることを指摘している。21年4月から予定価格4千万円以上で事後公表しているが、今後更なる拡大にあたっての課題を検証したい。
E現在使用している労務単価は、農水省及び国交省が毎年実施している調査にもとづいた単価を引用することになっている。市独自の単価設定は、国や道の補助事業の関係から困難である。
F小規模工事の提出書類の簡素化と現場代理人の兼務は小規模事業者の負担軽減の観点から関係部局と可能性を検討したい。
7.(仮)産業振興基本条例制定について ○中小企業の振興を目的として制定するとされているが何故、中小企業振興基本条例という名称をつかわず、産業振興基本条例と表現しているのか、その意図についてお聞きする。
●H19.12に北海道産業基本条例が制定され、本市においても商業、工業、農水産業のバランスのとれた産業構造を構築していくとの認識の下でこれまで検討を重ねてきた経緯がある。条例の名称としてはあくまでも仮称である。

○本年6月に政府において中小企業憲章が閣議決定された。まさに中小企業振興を前面に押し出した「(仮)中小企業振興基本条例」の制定にむけた標記に改めるべき。
●中小企業を取り巻く情勢は大きく変わってきており、中小企業振興について中小企業者や地元商業者と緊密に情報交換を行うと共に庁内検討会議などで協議、検討していく。